ぜひとも見たい!村野藤吾作品集
村野藤吾とは?
佐賀県生まれの建築家で、早稲田大学卒業後、大阪を拠点に活躍した建築家です。
戦前の折衷主義から近代主義、ポスト・モダンへと旺盛で意欲的な作風は止まるところを知りませんでしたが、一貫して現実主義者の姿勢を貫きました。
作品一覧
1.日本基督教団南大阪教会
1928年
実質的なデビュー作です。亡くなる3年前に改めて改築設計した作品でもあります。フランスのル・ランシーの教会堂の影響を窺わせる幾何学的な構成の塔と、晩年の村野の特徴である、おおらかな曲面によって構成された礼拝堂という、村野自身の新旧の対比が面白いです。最初の教会はW・Mヴォーリズ設計の大阪教会などを手掛けた岡本工務店が施工を担当しています。
2.錦業会館
1928年
近代の日本を代表する施設として国際会議の場として数多く利用され、リットン調査団が来館するなど、戦前の日本外交の舞台にもなっています。
外観はアメリカのオフィスビル風でさりげないですが、クラブ建築らしく内部は充実しており、室毎に異なるスタイルで装飾されています。
3.近三ビルディング
1931年
村野藤吾が独立して最初に設計した建物です。本ビルを手掛ける直前にヨーロッパを旅し、新旧の建築作品を見学し、そこで学んだことを表現に生かした作品となってます。
黒褐色のタイルで仕上げられた外壁と、整然と配置された縦長のガラス窓が外観の特徴です。玄関ホールの壁面はトラバーチン、ヴォールト様式の天井は奥村新太郎のデザインによるガラスモザイクで装飾されています。