ヨドコウ迎賓館

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 兵庫県芦屋市にフランク・ロイド・ライトが設計した建物があるということで、見に行ってきました。

 

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 場所は阪急芦屋川駅から北へ徒歩10分。川を横手に見ながら橋を渡り坂を上るとすぐそこです。

 

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 外観

敷地に入った瞬間から大谷石を用いたその幾何学的な外観に圧倒されます。

 

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車寄せから南側バルコニーを眺めると、周囲の壁や柱が額縁の役割を果たし、風景画を見ているようなひとときが過ごせます。

 

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二階応接間

入口を狭くすることで室内の広さを強調するというライトが好んだ空間構成をはじめ、幾何学的な装飾模様の大谷石や飾り銅板、作り付けの家具など、ライト建築のエッセンスとヨドコウ迎賓館の見どころが凝縮されています。

東西両側に大きな窓があり、周囲の景観を楽しめます。窓の真下には、ゆったりと鑑賞できるように作り付けの長いすが配置(重要文化財ということで座れませんでした)
壁面には飾り棚や置台がたくさんしつらえてあり、天井際にはドアの形の通気口が設えられ、統一感のある端正な空間となっています。

 

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建築的家具デザイン
ライトの建築の特徴の一つに、キャンティレバー(片持ち梁、片持ち床版)があります。建物の周囲に柱を立て、柱から内側に床を設けるだけでなく、鳥居の笠木が柱から飛び出しているように、柱位置より床を外側に飛び出させることです。

復元されたこの机は脚の両外側に天板が突き出し、キャンティレバーとなっています。机はキャンティレバーの天板から抽斗あるいは戸棚を吊った格好に設計されており、まさに天秤棒あるいは、ヤジロベエのバランスであります。

 

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飾り銅板

和室の西側廊下の窓には、葉をモチーフにした「飾り銅板」が使用されています。そして、透かしを入れることによって、葉の隙間から差し込む木漏れ日のような効果を演出しています。「飾り銅板」は、他にも和室内の鴨居の欄間など管内の随所に見られます。

 

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4階食堂
この食堂は正方形に近い平面図を持ち、暖炉を中心に左右対称の厳格なデザインで統一されています。
欧米において食堂は儀式の場でもあり、これにならって厳粛な気持ちになるようにつくられているそうです。また、食堂は館内でも特に装飾性が強い場所です。壁面にしつらえられた木製のものはほとんど構造上の役割を負わされていません。が、端正でユニークな雰囲気を醸し出すのに効果的です。

 

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4階バルコニー
多くの客を招いてのガーデンパーティーが開けるほど広々としています。